ASKIRF-8 高周波式ハイパーサーミアシステム [ アスクーフ8 ]
INTRODUCTION [ アスクーフ8 ]の紹介
悪性腫瘍治療装置
高周波式ハイパーサーミアシステム
[ アスクーフ8 ]
アスクーフ8は、高度な医療技術と安心・安全設計を両立した、高周波式がん温熱治療装置です。 さまざまな部位の悪性腫瘍に対応し、単独での使用はもちろん、化学療法や放射線療法との併用治療にも対応可能です。医療者の皆さまと患者さま双方の負担を軽減するため、細部まで配慮した設計が高く評価され、多くの医療施設で採用されています。
FEATURES [ アスクーフ8 ]の特徴
01 他のがん治療法との併用が可能
高周波式ハイパーサーミアシステムは、集学的治療が求められる現代において、他の治療法と組み合わせて使用することで、治療の選択肢を広げることができます。また、特定の治療法が適用できない患者さまにとっては、単独での治療としても有用な選択肢の一つとなります。
がん治療に革新をもたらす医療技術「温熱療法」
温熱療法とはがん治療の一種で、腫瘍組織を加温することで がん細胞を死滅または弱体化させる治療法です。がん組織の血管は収縮・拡張する機能がないため、熱を加えると酸素不足となり、乳酸が溜まりpHが酸性に傾くため熱に弱くなります。このようにして腫瘍内に熱がこもり42℃前後になると、細胞が死滅していきます。また、熱によって腫瘍の血流が変化し、放射線療法や化学療法の効果が向上することも知られています。
＜引用文献＞ １）Dewey WC, Hopwood LE, Sapareto SA, et al. Cellular responses to combinations of hyperthermia and radiation. Radiology 1977 ; 123 : 463-74. ２）Song CW. Effect of local hyperthermia on blood flow and microenvironment ; a review. Cancer Res 1984 ; 44 : 4721-30.
02 高周波電流を均一に分布させ安定した加温が可能
アスクーフ8は、高周波電流の散逸を最小限に抑える設計が施されています。これにより、高周波電流が電極間で効率的に作用し、均一な高周波出力が可能です。また、安定した冷却特性を備え、より快適で安全性に配慮した治療が可能です。
体内深部の悪性腫瘍も直接加温が可能な誘電加温技術
アスクーフ８の加温の原理
成人の身体の約65％は水でできております。水は酸素原子1個と水素原子2個
の共有結合でできておりますが、水素分子が約105度で結合しているために永久極性分子となっており、水分子単体でも電位差があります。そのため、対極電極に極性の変わる交流電流を流すと水の分子が電極の極性変化に依って振動をします。周波数を上げると水分子の振動が追随できなくなりますが、その分のエネルギーが誘電加熱となり、細胞内外の分子自体が発熱します。
03 腫瘍の深さに応じた、さまざまな部位の治療が可能
アスクーフ８は70～300mmΦまで6種類の冷却パッド付き高周波電極を2個ずつ用意しています。深部・浅部（表部）、あるいは右図の各部位の条件に合わせて、冷却パッド付き高周波電極のサイズを組み合わせることで脳・眼球を除く部位の固形がんに適用可能です。
対応可能な部位と治療イメージ
04 患者さまと医療者の負担を軽減するやさしい設計
アスクーフ８は患者さまと医療に携わる皆さまの負担を軽減する配慮から、治療テーブルが540mm以下に下降することで、小柄・体力が低下されている患者さまでも乗り降りしやすい低床昇降設計。
医療者によるサポートもスムーズに行えるよう工夫されています。
治療テーブルは、医療者の腰の高さあたりまで上昇し、無理のない姿勢で患者さまの位置調整や装置の操作が可能。横方向からの治療時には、治療位置に合わせて高さを任意に調整できます。
細部の仕様にまでこだわった安心安全の設計
患者さまの快適性と治療の効率性を高める
軟質シリコーン電極パッド
電極パッドは、肌に密着しやすい軟質シリコーン。2個の電極パッドの循環水はそれぞれ独立した温度制御方式を採用しています。
過圧迫を防止する
圧力監視システム
電極伸縮部には、圧力センサーとトルクによる押し付け圧力の二重監視機能が搭載されており、過圧迫の防止と誤作動のリスクを低減する安全対策が施されています。
高周波の漏洩を防止する
幅広いガントリー部
アスクーフ8は、ガントリーの幅を広く設計しています。また、ガントリー内壁にはアルミ製のシールド板を取り付け、高周波の漏れを防ぐ対策を講じています。
SPECS [ アスクーフ8 ]の仕様
| 類別名称 | 機械器具12 理学診療用器具 |
|---|---|
| 一般的名称 | 高周波式ハイパサーミアシステム（ JMDN：40782000 ） |
| 医療機器分類 | 高度管理医療機器（クラスⅢ） |
| 医療機器製造販売承認書番号 | 22800BZX00447000 |
| 販売名 | アスクーフ 8 |
| 電源 | 単相 200V 50／60 Hz 65A |
| 加温形式 | 高周波（RF）誘電加熱 |
RF波発振器
| 電流 | 25A |
|---|---|
| 高周波出力 | 最大1500W |
| 高周波発振周波数 | 8MHz |
| 高周波発振方式 | 自励発振方式 |
治療部・循環装置部
| 電極サイズ | 70㎜Φ 2個／100㎜Φ 2個／140㎜Φ 2個／210㎜Φ 2個／250㎜Φ 2個／300㎜Φ 2個 |
|---|---|
| 電極パッド冷温水循環 | 独立4水槽貯留恒温水 強制循環方式（冷水5℃～25℃／温水25℃～40℃の任意選択） |
治療テーブル部
| 治療テーブル移動 | 前後／昇降自動移動 乗り降り時最低高さ：540㎜ |
|---|---|
| テーブルシャッター | 開口部自動開閉 |
| ポジショニング | 設定位置自動停止 |
| 患者保持具 | 折りたたみ式アーチグリップ |
制御コンソール部
| 温度測定 | 熱電対温度センサー（同時測定表示） |
|---|---|
| 温度コントロール | 高周波出力の自動制御により、加温温度を所定時間まで維持・継続 |
| 高周波出力表示 | 入射波および反射波のグラフ表示 |
| 高周波出力可変 | 陽極電圧の可変制御 |
| 高周波負荷整合 | 加温部と高周波発振器とのインピーダンス整合 |
| ディスプレイ | 高周波出力、加温温度、加温時間、加温治療の集計、治療データの呼び出し、治療状況の監視 |
| サーモシミュレーション | 温度分布シミュレーション |
その他の付属品
| 温度センサー | 熱電対式フレキシブルセンサー5本（太さ0.5㎜、長さ1500㎜） |
|---|
寸法・重量（機械総重量2045kg）
| 名称 | 高さ（mm） | 幅（mm） | 奥行（mm） | 重量（kg） |
|---|---|---|---|---|
| ガントリー部 | 1900 | 1802 | 600 | 510 |
| 治療テーブル部 | 900 | 786 | 2275 | 575 |
| 高周波発振部 | 1900 | 786 | 1700 | 850 |
| 操作デスク部 | 1207 | 1420 | 700 | 110 |
室内設置寸法
