PROJECT 創造プロジェクト

地域から始まる、小さな技術の物語

バイオコンポスト・電解水・水耕栽培がつくる、新しい地域循環のかたち

  • 技術革新

たとえば、冬の朝。
庄内の田畑には、まだ薄い霧が残り、
遠くの海から吹く風が微かに塩の香りを運んでくる。
その静けさの中で、ひとつの質問が胸をよぎることがあります。

—— この地域に眠っている資源を、もっと活かせる方法はないだろうか。
農業、水産業、食品加工、福祉。

地域を支える一次産業の現場には、まだ誰にも見えていない「価値の種」が確かに残っています。
しかし同時に、そこには日々の労力や環境負荷、コストといった重たい課題も横たわっている。
私たち庄内クリエート工業が取り組むプロジェクトは、
そんな現場の“声にならない声”に耳を澄ませるところから始まりました。

未利用資源が巡りはじめるとき、
地域に新しい循環が生まれる

大量に廃棄される食品残さ。

薬剤に頼らざるを得ない洗浄・殺菌。
気候変動の影響で揺らぐ農産物の生産。
これらは、どれも地域の産業を静かに疲弊させる負担の一部です。
「環境に良いから」だけでは続かない。

「経済的だから」だけでも続かない。
だからこそ私たちは、自社で装置を設計・製造できる強みを活かし、現場の“リアル”に寄り添いながら技術を形にする道を選びました。
廃棄物が肥料へと生まれ変わり、水の働きを高めて薬剤の使用を抑え、福祉の現場に新しい仕事が生まれる。
そんな「地域の資源と仕事がめぐる仕組み」を、パートナーと共につくっていくこと。
それこそが、このプロジェクトの核となる考えです。

産学連携というもう一つの土壌

地域での試行錯誤と並行して、大学や研究機関との共同研究も積極的に進めています。
机上の理論だけではわからない。
現場の手触りだけでも足りない。
両者が行き交うことで、電解水やマイクロファインバブルといった技術の背景にある“見えないメカニズム”が少しずつ明らかになり、実装の精度が高まっていきます。
地域を支える技術は、地域の外の知見ともつながりながら育っていく。
そんな当たり前のことを、日々実感しています。

3つのプロジェクトストーリー

ここからは、実際に動き出している3つの取り組みを“現場の息遣い”とともに紹介します。

01

食の廃棄物が、地域をめぐる力へと変わる

宿泊施設や食品関連事業者から出る大量の食品廃棄物。
その行き先は、これまで焼却場か廃棄処理でした。
「このまま捨ててしまうだけでは、もったいない。」
そうした声から、バイオコンポストによる微生物資材化が始まりました。
廃棄物は微生物の力で生まれ変わり、農業生産者の畑へ。
そこで育った野菜が、再び飲食店や宿泊施設に届けられる。
資源も、経済も、地域の中で巡っていく。
それは、数字では測れない“地域の自立性”を育てる営みでもあります。

02

薬剤に頼らない洗浄・殺菌の未来をつくる

工業、水産、食品加工。
地域の多くの現場で、洗浄・殺菌は薬剤に依存しています。
しかしその裏には、環境負荷、コスト、安全性という大きな代償がある。
そこで私たちは、電解水・ファインバブル生成装置を自社内で開発・内製化し、現場ごとに最適な条件を探る実証試験を繰り返してきました。
「薬剤の使用量が減った」「排水処理が楽になった」「作業環境が清潔で安全になった」
ひとつひとつの声が、未来のスタンダードの輪郭を少しずつ描き出してくれています。

03

テクノロジーと福祉をつなぐ、
水耕栽培という新しい仕事

気候変動で不安定になる農業の現場。
働く機会の確保が課題となる福祉の現場。
この2つをつなぐようにして、当社が設計した水耕栽培システムが福祉施設に導入されました。
天候に左右されにくい屋内栽培は、利用者さんが無理のない範囲で作業に関わることができる。

育った野菜は地域の飲食店へ。

“作る”ことと“働く”ことが、一本の線でつながっていく。
水耕栽培設備が、福祉施設を地域につなぐ新しい架け橋になる——。
そんな未来が、少しずつ形になりはじめています。

地域から未来を変えるということ

庄内クリエート工業の挑戦は、派手でも大規模でもありません。 けれど、地域の課題に耳を澄ませ、目の前の現場で試行錯誤し、そこで生まれた小さな技術を積み重ねていくこと。 その営みこそが、未来を変える力になると信じています。 環境技術が地域の暮らしの一部となり、農業、水産業、工業、福祉の現場が、安心して持続し続けられるように。 私たちはこれからも、「地域から、未来を支える技術」をつくり続けていきます。

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